トランプ米大統領は、2026年11月の中間選挙に向け、キャピタルゲイン(株式や暗号資産などの売却益)課税を軽減する新たな公約を検討しています。議会に税率の引き下げを求める案に加え、200万ドル(約3億2,000万円)以下の住宅について、売却益を課税対象から外す構想が浮上しました。

米国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長は8月11日、FOXビジネスの番組で、トランプ氏が共和党への支持につながる政策を中間選挙までにさらに打ち出す考えだと説明しました。共和党が政権と議会で主導権を維持した場合に実行する政策として、有権者へ提示する狙いがあります。
第1次トランプ政権でNEC委員長を務めたラリー・クドロー氏は、キャピタルゲインの「インフレ調整」についてトランプ氏と協議しました。資産の購入価格を物価上昇に合わせて引き上げ、名目上の値上がりではなく、インフレを差し引いた実質的な利益だけに課税する仕組みです。クドロー氏は、トランプ氏がこの案と住宅売却益の非課税枠拡大に強い関心を示したと明らかにしています。
米国の長期キャピタルゲイン税率は、所得に応じて0%、15%、20%に分かれます。主な自宅を売却した場合の非課税枠は、独身者が最大25万ドル、夫婦合算申告では最大50万ドルです。200万ドル以下の住宅を対象とする構想が採用されれば、現在より大幅に広い範囲の売却益が非課税となります。
暗号資産も米国の税制上は通貨ではなく資産として扱われ、売却や他の暗号資産との交換で生じた利益が課税対象です。このため、キャピタルゲイン税率の引き下げやインフレ調整が暗号資産まで含む制度として法制化されれば、ビットコインなどを長期保有する米国投資家の税負担にも影響します。
税制変更の多くは議会での法制化が必要です。議会を通さず行政権限でインフレ調整を導入する方法も過去に検討されましたが、実施した場合は法廷で争われるとの指摘があります。共和党内でもインフレ調整への支持は固まっていない一方、住宅売却益の非課税枠拡大には超党派の支持があります。
ホワイトハウスは、トランプ氏が新たな経済政策を常に検討していると認めつつ、正式な政策は政権から直接発表すると説明しました。8月12日時点では選挙公約の候補であり、減税の実施が決まった段階ではありません。
