トランプ米大統領は2026年7月16日午後(米東部時間)、暗号資産市場構造法案「CLARITY Act」の倫理条項をめぐり、ホワイトハウスで上院議員と協議する予定です。会談の予定と目的は、POLITICOやCoinDeskが7月15日に上院共和党関係者や事情に詳しい関係者への取材を基に報じました。7月16日午前(同時間)の時点で、トランプ氏やホワイトハウスによる会談に関する公式声明は確認できていません。
CoinDeskによると、トランプ氏と政権側の顧問は上院議員と会い、法案で最も調整が難航している公職者の利益相反規制について協議する計画です。同誌の取材時点でホワイトハウスは会談予定についてコメントしておらず、現段階の出席者や協議内容は関係者情報に基づくものです。
CLARITY Actは、暗号資産市場に対する監督権限や事業者向けルールを明確にすることを目指す法案です。暗号資産が証券に当たるのか、商品として扱われるのかという区分は、取引所や発行体に適用される規制、情報開示、利用者保護の枠組みを左右します。
法案を推進するシンシア・ルミス上院議員は、商品先物取引委員会(CFTC)への権限付与、消費者保護、違法金融対策を主要な目的として挙げ、法案本文の提出に向けて調整を進めています。報道では、ルミス氏ら上院共和党議員がホワイトハウスで法案の進捗と成立に向けた道筋をトランプ氏に説明する見通しです。
最大の争点は、大統領や議員を含む政府高官とその家族が暗号資産事業から利益を得る場合に、どのような制限を設けるかです。民主党側は、政策を決める立場と関連事業の利益が重なることを問題視し、法案に実効性のある倫理規定を盛り込むよう求めています。一方、規定が特定の人物だけを狙う内容になれば、共和党側やホワイトハウスの反発を招く可能性があります。
民主党のクリス・マーフィー上院議員は7月14日、CLARITY Actをトランプ氏の暗号資産事業と結び付けて批判する投稿と動画を公開しました。倫理条項をめぐる対立は、規制明確化の是非だけでなく、政策決定者の利益相反をどのように防ぐかという政治倫理の問題に広がっています。
上院で議事妨害を打ち切って法案審議を進めるには、一般に60票が必要です。共和党だけで安定してこの水準を確保するのは難しく、民主党議員が支持できる倫理規定をまとめられるかが法案の行方を左右します。暗号資産業界には規制の予見可能性が高まる利点がある一方、利益相反への対応が不十分であれば、超党派合意は遠のく可能性があります。
会談後の確認点は、トランプ氏がどの範囲の倫理規定を受け入れるのか、修正文案がいつ示されるのか、民主党議員の支持拡大につながるのかです。会談前の段階では合意成立を示す公式情報はなく、協議結果と法案本文の公表を待つ必要があります。
参照:CoinDesk
