トランプ米大統領は6月24日、CBDC関連条項を含む住宅法案への署名をいったん延期し、暗号資産の規制を整理するクラリティー法案にも日程面の不透明感を広げました。住宅法案の扱いは、デジタル資産政策の優先順位や審議スケジュールを見るうえでも注目点になっています。

署名が止まったのは、住宅供給の拡大、住宅価格の負担軽減、企業による一戸建て住宅の買い集め抑制を柱とする法案です。下院では358対32で可決され、上院でも可決されており、与野党をまたぐ強い支持を得ていましたが、ホワイトハウスでの署名段階でいったん止まりました。
背景には、トランプ氏がSAVE America Actを優先課題に置き、上院に早期対応を求める狙いがあります。同法案は連邦選挙で市民権証明や写真付き身分証の提出を厳格に求める内容で、住宅法案の署名延期は、ほかの法案審議を動かすための政治的なてことして使われている構図です。
暗号資産分野では、トランプ氏の反CBDC姿勢があらためて注目される局面です。報道では、住宅法案に2030年まで連邦CBDCを禁じる内容が含まれるとされており、議会日程を巡る駆け引きが強まれば、デジタル資産のルール整理を進めるクラリティー法案にも間接的な影響が及ぶ可能性があります。クラリティー法案は業界に規制の見通しを与える一方、開発者の扱いを巡る抜け穴への懸念も残っています。
今後の焦点は、トランプ氏が署名判断をいつ下すかと、上院共和党がSAVE America Actをどこまで前進させるかです。トランプ氏には最長10日間の判断期間があり、議会会期中であれば署名がなくても法案が成立する可能性があります。住宅法案の停滞が長引けば、クラリティー法案を含む暗号資産政策の時間軸にも影響が出る見通しです。
