ヴィタリック・ブテリン氏は2026年9月27日、イーサリアムの次期大型アップグレード候補「ヘゴタ」について、2015年型の技術で理解できる最後の「通常」フォークになりうるとの見方を示した。発言の要点は、イーサリアムの開発が終わるという話ではなく、ヘゴタ以降の改良が「暗号学的ワールドコンピュータ」と呼ぶ、より高度な暗号技術を軸にした段階へ移るという点にある。

ブテリン氏が使った「通常」は、2015年当時の開発者でも仕組みを追える機能や技術を指す。公式資料上、ヘゴタはまだ計画中で、メインネット時期は2027年第2四半期の見込みとされる。ただし日付は確定しておらず、最終的に入る機能範囲も固まっていない。ヘゴタでイーサリアムのコア機能が凍結されるわけでもない。
現時点でヘゴタへの組み込みが予定されている項目には、検閲耐性を高めるFOCIL(フォーク選択時に取引取り込みを補助する仕組み、EIP-7805)がある。フレーム・トランザクション(取引をより扱いやすい単位に整理する案、EIP-8141)も候補に入っているが、仕様はドラフト段階にある。セポリア、フーディ、メインネットでの有効化時期は設定されておらず、完成済み機能として扱う段階にはない。
ヘゴタ後の中心技術として、ブテリン氏は再帰的STARK(証明をさらに証明するゼロ知識証明技術)、形式検証の自動化(プログラムの正しさを数学的に確認する仕組み)、高度に最適化されたコンセンサス、量子耐性化を挙げた。イーサリアムは、取引やデータを記録する台帳から、ブロックチェーン、暗号学的なプライバシーと検証、分散型オフチェーン要素を組み合わせるネットワークへ進むという見立てになる。
この方向では、開発者が計算やデータをどう分けて扱うかが、手数料や処理効率により強く響く。すべてを1つの取引に詰め込むより、並列処理や事前集約に向いた形へ整理する判断が重くなる。分散ネットワークは安全性のための負担に限らず、データ保存、計算、プライバシーの一部で性能面の利点を持つものとして扱われる。
2030年像として挙げられた目安は、スロットが約4〜8秒、ファイナリティが約8〜32秒となる。これは正式な導入日程や保証値ではなく、研究・開発が向かう性能水準を示す数字にすぎない。ヘゴタは2027年第2四半期を見込む計画中のフォークとして調整が続き、最終範囲と有効化時期は今後の仕様策定とクライアント実装の進行に沿って固まる。

