ドイツ連邦財務省は、2027年1月1日以降に取得されるビットコインやイーサリアムなどの暗号資産について、売却益を保有期間にかかわらず25%の源泉分離課税の対象にする省内草案をまとめた。長期保有なら原則非課税だった個人投資家の税負担を変える案で、政府内調整に入った。草案は成立した法律ではなく、閣議決定や連邦議会での審議を経て内容が変わる余地がある。

対象は2026年12月31日より後に取得した暗号資産となる。すでに保有している分には現行ルールを残す既得権保護が置かれる案で、過去に買った暗号資産まで一律に新税制へ移す内容ではない。25%の税率には連帯付加税が上乗せされ、実効税率は約26.375%になる。教会税の対象者はさらに負担が増える。
現行制度では、暗号資産の売却益は所得税法上の私的譲渡取引として扱われる。購入から1年以内に売却した利益は個人の所得税率で課税されるが、1年を超えて保有した後の売却益は原則として非課税になる。新案はこの1年超保有の非課税扱いをなくし、株式や投資信託の売却益に近い資本所得として扱う方向となる。
財務省側は、暗号資産が個人の資本運用手段として広がるなか、株式などの資本所得と異なる税扱いが続くことを問題視している。草案には、暗号資産が成長市場で取得、利用、売却される私的な資本投資の形になっているとの考えが盛り込まれた。財務省筋は「勤労所得や資本所得は課税されるのに、暗号資産の投機益がほぼ非課税なのは不公平だ」と説明している。
ステーキングやレンディングの収入も、資本所得に含める案が出ている。貯蓄控除の適用、株式などとの損益通算、個人税率が25%を下回る場合の有利判定も盛り込まれる見通しとなる。
税収見積もりは2028年に約1億6,000万ユーロ、2030年から2031年にかけて年間約3億5,000万ユーロとなる。自動源泉徴収は2028年1月1日から始まる想定で、取引プラットフォームには技術対応のため1年の猶予が置かれる。草案は今後、政府内調整を経て閣議決定と連邦議会での審議に進む。
参照:handelsblatt

